【購入前】IPX7やIPX4、IP67やIP54などボディの防塵防水グレードとはどのようなものですか? グレードの記載がない無線機も水濡れは大丈夫ですか?
- これらの表示がある弊社製品は、弊社で相当する規格に適合することを確認しており、指定のアクセサリーを使い、防水キャップ類を正しく閉めるなど説明書に明示する指示を守っていただければ一定の外郭保護性能を発揮します。
IPX7は「室温の静水の真水 水深1mに製品をゆっくり水没させて静止状態で30分放置しても中に水が入らない」耐浸性を確かめています。
IPX8は「室温の静水の真水にIPX7よりも厳しい条件で水没させ、浸水しないことを確認」する防水で、特に水深や時間に規格はありません。このため、メーカーが製品の用途や構造に合わせて独自にレベルを設定します。弊社ではハンディ無線機のレベルを1.5m/30分の水没としました。もちろんダイバーウオッチのような水中で使う製品の防水性能とは異なりますのでご注意ください。V/UHF帯の電波は水中では伝搬しません。
IPX6は既定の条件の激しい水流をホースで全方向から掛けても悪影響を受けない耐水、IPX5はそれより弱い水をホースで掛ける耐噴流です。
IPX4は「全方向からの真水の飛沫を浴びても内部に水が入らないか、入っても当面実用上問題無く使えること」を検証するため、毎分10リットルの水を全方向から最低5分間散水して耐飛沫性を確認しています。水に濡れた手でつかんだり水ハネが無線機表面に飛び散ったりした程度ではすぐに故障しない事を想定したグレードです。
IP6Xは「非常に細かい埃が有る環境でも使える耐塵性能」を検証するために75ミクロン以下の乾燥した試験用粉塵(ベビーパウダーの粉です)を1立方メートル当たり2kgの濃度で浮遊させた試験器内に8時間放置して、製品内部に一切粉塵が入っていないことを確認します。
IP5Xは、同等の環境でテストして「完全な防塵ではないが、異物が入っても所定の動作と安全性が保て、直ちに故障しない」ことを確かめています。
保護等級の表示は、製品の発売後に試験機関で実験して合格を確認することがあるため、本サイトと製品の説明書やカタログの表記が異なる場合があります。このWebサイトで謳っているものについては、特に注意書きが無い限り、製造ロットに関係なく変更後の性能を備えています。
また外郭保護ではありませんが、弊社の業務用無線機はアメリカ軍への製品納入規格MIL810F相当の振動(試験用の振動器で長時間激しく製品を振り、故障が無いことを確かめる)と衝撃(試験器で急ブレーキ、急加速のような加速度重力を繰り返し与えて故障が無いことを確かめる)の試験をして信頼性を確かめています。
これらの規格は特殊環境での使用については一切テストされておりません。金属性、油性、酸や塩分・化学物質を含む等、特殊な液体や粉塵の場合、製品に使われている素材や部品に付着して劣化や故障の原因になることがありますが、これらは保証の対象外ですのでご了承ください。特に工場では非常に細かい粉塵がスピーカーの強力なマグネットに吸着されて蓄積、音質劣化の原因になることがあります。このような環境では無線機本体をナイロン袋やポーチで保護したり、イヤホンマイクをお使いになることをお勧めします。また、取り外しができる乾電池ケースのような製品は、新品の製造時に外郭保護等級の試験をしても、電池を出し入れしているうちに微細な埃や傷などが防水パッキンにつくなどして浸水の原因になりますのでご注意ください。このような不具合は保証の対象外とさせていただいております。
保護等級にかかわらず、汚れたり濡れたりしたときはブラシなどでほこりを払い、OA機器用のウエットクリーナーなどで汚れを落としてから(水分を沢山含んでいるティッシュは絞ってからお使いください)、乾いた布で拭いて乾燥させるなどのメンテナンスを心がけていただくと、長く正常な状態でお使いになれます。このとき、溶剤入りのスプレー式汚れ落としは絶対にお使いにならないでください。細かい溶剤の霧がスプレーの風圧で内部に浸透して部品の腐食、故障を起こします。
スマートフォンではIP67,68製品の中に「水洗いの仕方」を説明書に掲載しているものがありますが、弊社の製品はアンテナやバッテリーのような使用者が取り外せる可動部からの浸水や、試験規格以上の水圧がかかる可能性がある「丸洗い」は誤使用として製品保証の対象外とさせていただいております。
保護加工に使われているゴムやシールド素材などは、経年劣化のため変質し、機能が失われます。弊社では、外郭保護性能についても本体の保証期間と同じとさせて頂いております。 外郭保護性能が重要である場合は、定期的に弊社の有償点検をお受けください。
弊社ではWebサイト、カタログ、説明書などで「防浸」「防沫」「耐塵」という言葉が直感的に理解しにくいことから、防水、防塵などと言い換えていることがありますのでご了承ください。
保護等級表示の無い製品は、外郭保護性能試験を行っていない物です。例えば最低限のゴムパッキンなどを使って、少し濡れた手でさわる程度では故障しにくいように設計することがほとんどですが、グレードの低い防水規格を保証するとかえって誤解を受けるため、敢えて試験はしておりません。しぶきが掛かったり雨や雪に濡れたりするような場所で無線機をむき出しでお使いになるためには、環境に合わせた外郭保護性能を有する製品をお使いください。
保護の有無に関わらず、オプションのソフトケースを使用されると汚れや水分、埃や塵との接触を大幅に防ぐことができ、落下の衝撃からも守れる場合が多いので無線機の保護に大変役立ちます。メンテナンスに掛かるコストが低減できる実用的なアクセサリーですから、是非積極的にお使いください。