【無線機全般】デジタル移行やスプリアスの規格が変わって、使えなくなる無線があると聞きました。古い無線機は全部使えなくなるのですか?簡易無線でデジタル・アナログ両方のモードがある無線機のアナログ部分はどうなるの?

  • 本ページで現行品としてご紹介している無線機器はすべて、本件の対象ではありません。安心してご購入、ご使用ください。

    製品紹介ページ (生産終了品コーナーは除きます。対象製品の一部が掲載されています。)

     

    上記以外の製品をお使いでしたら引き続きお読みください。

    古いトランシーバー、ワイヤレスマイク、ETC車載器などの無線機器が近い将来、使えなくなります。
    ・古い規格の無線機器は世界的な取り決めの電波環境改善のため
    ・アナログのUHF簡易無線はデジタル化のため


    ・国際的な取り決めにより、日本でも電波環境の改善のため2005年(平成17年)に、それまでの古い規格で作られた無線機器は使用できなくなることになりました。
    ・UHFのアナログ簡易無線も電波資源の有効利用のためデジタル移行が決まりました。
    ・取り換えのための経過措置として、どちらも2022年11月末(令和4年、平成発行の免許状にはH34と記載)まではその使用を認めることとなりました。
    ・2021年、新型コロナウイルスによる経済的影響などから、どちらも制限付きで経過措置が延長されることになりました。
     *特定小電力無線などの旧技適機種の使用停止期限は「当分の間、延長」とされています。使用停止の決定に変更はありません。
     *UHF簡易無線のアナログ停波は2024年(令和6年)11月末まで延長されました。


    ・本件についてお問い合わせをいただいても、弊社はお答えに必要な情報も権限もございません。ご不明な点はこちらの総務省電波利用Webサイトをご参照ください。

    正しく対応しないと電波法違反で罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の対象となります。
    法改正についてご不明な点があれば、お住まいのエリアを統括する総務省総合通信局の担当部署に直接お尋ねになるか、Webサイトをご覧ください。

    弊社製品に関しては電子事業部の各支店、サービスセンターとWebサイトのお問い合わせフォームでご相談を承ります。但しメーカーは法律や保証業務に関する判断をする権限が無いため、内容によってはお答えの代わりに総合通信局や保証機関の連絡先をご案内させていただくことがございますので予めご理解ください。

    下記のいずれかに該当する弊社製品を現在お使いであれば、注意が必要です。


    【全数が対象になる機種/UHFアナログ簡易無線のデジタル化に伴う停波です。】

    *アナログ簡易無線免許局・小エリア無線機:停波、閉局です。
    生産を終了したDJ-BU10CとDJ-BS10が全数該当します。
    いずれもデジタル移行で348MHz、465/468MHzのアナログ割り当てが消滅します。廃局、廃棄、デジタル移行の方法については対象製品を購入された無線機販売店にご相談ください。

    *パーソナル無線機:停波、閉局です。
    生産を終了した下記の機種が全数該当します。
    ハンディ:DP-5 / DPR-6 シリーズ
    モービル:DP-300 / DP-500

    パーソナル無線の停波は少し前倒しになっており、無線局免許の申請受理は既に終了、お持ちの免許が失効したら閉局です。2022年11月末までに全てのパーソナル無線局免許は失効するので、早めにお手元の無線局免許状の「有効期間」欄をご確認ください。2022年は平 34と平成の年号で記載されています。事前に閉局する時は「無線局廃止届」を総合通信局に提出してください。用紙は各総合通信局のWebサイトでダウンロードできます。
    廃棄は小型家電製品に準じ、民間の廃品回収業者も引き取ってくれます。ただ、再流通しないように製造番号などの銘板ラベルをはがし、電池やカバー類を外してから水に漬けるか、ハンマーやドリルで基板を壊してから廃棄される事をお勧めします。電池は地域のルールに従ってリサイクルしてください。

    *デジタル&アナログ簡易無線免許局(3B DCR):改修が必要です。
    DJ-BU50ADとDR-BM50ADが全数該当
    します。
    アナログ停波以降もデジタルチャンネルはお使いになれますが、期限までにアナログチャンネルを使えないようにするプログラミングと免許状の変更(アナログchの閉局届)が必要になります。
    ・このジャンルの無線機は販売店が免許の内容を把握されており、期限までに対応されるケースがほとんどと思われますが、台数が多い場合は改修に時間がかかることも予想されます。無線機の運用に支障が出ないよう余裕を持って、事前に販売店と相談してスケジュール調整されることをお勧めします。
    ・「販売店が廃業した」「どの業者から購入したか分からなくなった」などお困りの場合は早めに弊社にご相談ください。

    【対象になる機種を含む製品】

    【2005年ごろまでにお求めいただいた下記の機種/旧技適の製品です。】


    お問い合わせが増えておりますが近年、新品でお求めいただいた機種は新技適ですから該当しません。2005年/平成17年は愛知県で「愛・地球博」が開催され、「クールビズ」が流行語になった(普及しはじめた)年です。

    ・429/1200MHz帯 特定小電力データ通信ユニット
    ・特定小電力トランシーバー
    ・アマチュア無線機


    *429MHz/1.2GHz帯 特定小電力データ通信ユニット
    対象製品のリストはこちらです。
    対象製品は経過措置が終了すると使えなくなります使えるようにする修理や改造方法はありません。
    ・購入されたメーカーが自社製品の中に組み込んで販売される電子部品のようなものなので、弊社では最終のユーザー様や製品名を特定することができません。弊社の通信ユニットを採用されたことがあるメーカーのご担当者様はぜひ該当品リストの品番をご確認ください。代替品など技術的な相談も承ります。尚、特定のメーカー向けに専用供給したものは既に告知を済ませています。

    *特定小電力トランシーバー
    対象製品のリストはこちらです。
    対象製品は経過措置が終了すると使えなくなります。使えるようにする修理や改造方法はありません。
    ・対象になるのは平成17年(2005年)までに製造販売された古い無線機です。最近新品でお求めになった無線機器は該当しません。このWebサイト内で現行製品としてご紹介しているものやリスト中の新技適品は、本件に関係なくお使いになれます。
    ・本件はUHF簡易無線アナログ停波とは理由が異なります。デジタル方式でも旧技適品のDJ-P30Dは使えなくなります。
    ・特小無線機の廃棄は小型家電製品に準じ、民間の廃品回収業者も引き取ってくれます。ただ、再流通しないように製造番号などの銘板ラベルをはがし、電池やプラグのカバー類を外してから水に漬けるか、ハンマーやドリルで基板を壊してから廃棄される事をお勧めします。電池は地域のルールに従ってリサイクルしてください。
    ・旧技適機種は全て、アフターサービスのご提供を終了いたしました。

    *アマチュア無線機
    ・下記は全数が対象になる旧規格機種のリストです。旧技適と、それより以前のJARL認定機種を含みます。旧規格の機種を継続使用するには後述の手続きが必要になります。
    旧規格のハンディ機
    旧規格のモービル機

    新旧の規格が混在している機種のリストはこちらです。旧規格の機種を継続使用するには後述の手続きが必要になります。実機の技適番号を見て判断してください。

    アマチュア無線機は、旧規格でもスプリアス確認保証を取れば、期限以降も基本保証を受けて使い続けることができます。弊社製のほとんどのアマチュア無線機は一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)のスプリアス確認保証に関するページにある確認保証対象機種になっています。申請手順についてご不明な点は、直接保証機関の窓口にご相談ください。

    ・生産を終了したDX-77とDX-SR8は旧規格で、確認保証の対象になっていません。スプリアスに関しては自己測定やJARDの測定サービスを受けていただく必要があります。
    ・旧技適機種は一部条件付きで対応しているものを除き、全て修理サービスを終了させて頂いております。
    ・保証認定は有償の制度で、無線局免許とは別の申請書を提出する必要があります。
    ・スプリアス確認については現在免許を受けて運用されている機種が対象で、免許更新や変更申請とは別のタイミングで行うようです。事前に申請方法を確認されることをお勧めします。

    新技適機種は対象外です。何も影響は受けません。
    このリストに掲載の製品は全数、新技適機種です。
    DX-SR9はもともと基本保証が必要な機種ですが、JもMも新規格に準拠して生産しており、JARDでも確認済としてスプリアス確認は不要で、基本保証を受けるだけで免許申請・更新ができます。

    *アマチュア無線機用パワーブースター
    50W以下のパワーブースターは、送信機(エキサイター)が新スプリアス規格、もしくは新スプリアス規格に適合している事の確認ができたものであれば、パワーブースターとしてのスプリアス保証は不要です。但しエキサイターが新技適機種でも、パワーブースターを使うには「技適機種の付加装置」として一般の保証認定を受ける必要があります。保証認定申請には付加装置の送信機系統図を添付、工事設計書には付加装置の終段管名称・個数、電圧及び定格出力の記載が必要です。ELH-230GやELH-740Dなど旧JARL登録機種は送信機系統図の添付は省略できる場合もあるようですが、簡単なものですから提出されることをお勧めします。送信機系統図の例はこちらです。

    【DR-620をお使いのアマチュア無線局にお願い】
    車載用144/430MHz 2バンドアマチュア無線機DR-620の下記の技適番号をお使いで、まだ自主回収についてご存じない方は是非こちらをご覧ください。
    ・DR-620H (50W/35Wタイプ)002KN498 / 002KN575 
    ・DR-620D (20Wタイプ)002KN499 / 002KN576
    *上記の技適番号(全て新技適)の個体は製造番号に関係なく、全て自主回収の対象です。

    *下記は全数、自主回収の対象ではありません。DR-620以外の製品も対象ではありません。
    DR-620D (20W):02KN323(旧技適) 、002KN475、002KN589(共に新技適)
    DR-620H (50W/35W):02KN322(旧技適)、002KN474、002KN588(共に新技適)

【無線機全般】アマチュア無線、特定小電力、デジタル簡易無線…どの無線機を選べば良いのですか?何が違うの?

  • 用途によって選択肢が変わります。

    特定小電力無線【免許資格不要、一番簡単・手軽に使える一般連絡用の無線】
    インカムとも呼ばれている小型の携帯型トランシーバーです。飲食店、携帯電話ショップなどの店員さんや交通整理のガードマンさん、クリニックの看護師さんが持っていらっしゃるのをよく目にします。微弱電波で、屋外で数百メートル、屋内ではフロアをまたぐと通信できないこともあるような近距離連絡用ですが、免許や法律上の制限などの面倒が無く、買ったその場ですぐ使ってよい、もっとも手頃な無線機です。仕事でも、レジャーでも、日本国内であれば医療施設も含めてどこでも誰でも使えます(飛行機内など電気製品の使用に制限がある場所を除く)。一番安く、電池の持ちが良い、使いやすい無線で中小規模の店舗、施設内(工場、病院、ホール、倉庫…)の業務連絡や、災害など非常時の連絡用に最適です。電話回線に依存しないので、電池さえあれば非常時・携帯電話圏外でも使用できます。

    デジタル小電力コミュニティ無線【免許資格不要、相手の方向と距離が表示される特徴ある無線】
    一番新しい規格のライセンスフリー無線機です。特小同様、一切の手続きなしで使えます。もともと野生動物の監視、お年寄りや子供の見守り、遭難時の位置情報発信などを念頭に作られたカテゴリーの無線なので、お互いにGPSが受信できる場所に居れば、液晶に相手までの方向と距離がリアルタイムに表示されます。屋外で良く飛ぶ周波数帯を使用、送信パワーも特小より高いので、河川敷のような開けた見通しの良い場所なら2km程度通話ができますが、屋内では特小とあまり変わらない距離しか通話できません。上空使用ができるのでスカイスポーツにもお勧めです。

    デジタル簡易無線登録局【資格不要のハイパワー連絡用無線】
    特小無線では届かない、免許が必要な簡易無線はしきいが高い、アマチュア無線では仕事の話ができない…こんな不満を解消するのが通称「デジ簡」無線です。自分でできる簡単な事前届をすれば、国内の陸・海上であれば仕事でもレジャーでも、だれでも使って良い便利なトランシーバーで、携帯型なら平地で3~4km、車載型ならアンテナ次第で10km単位の通話もできます。似たような名前のデジタル簡易無線「免許局」は、純粋に仕事連絡用に割り当てられるもので、無線局免許が必要になるほか、使用に特定の制限がありますので、間違えないよう十分ご注意ください。

    アマチュア無線【趣味のための無線で、一般連絡は禁止】
    純粋に通信すること、そのための手段、設備、技術に工夫を凝らすことを趣味とする人たちのための無線です。使うにはアマチュア無線技士資格と無線局免許状を事前に取得する必要があり、いくら免許を持っていても、この無線を仕事の連絡に使うと罰せられます。例えば仲間内でアウトドアやサイクリング、ドライブなどのレジャーを楽しむための連絡用にアマチュア無線を使うことはできますが、電波法が定める特定のルールに則った運用が義務付けられています。但し近年、電波利用の促進、地域社会への貢献とワイヤレス人材の育成を目的として、アマチュア無線業務の緩和が行われました。従来認められなかった報酬を伴う害獣駆除時のハンター間連絡、地域ボランティアや消防団などの補助通信手段、監督者が免許人であればその設備を使って資格がない人もアマチュア無線を体験できる、などです。詳しくは総務省Webサイトをご覧ください。これにより、ルールに従えば、一部の連絡通信や資格を持たない人が通信体験できます。
    総務省電波利用Webサイト:
    アマチュア無線の社会貢献活動での活用に係る基本的な考え方
    アマチュア無線の交信体験制度(体験運用)
     

【無線機全般】アルインコの無線機に乾電池型の充電池は使えますか?

  • 【ご注意】
     この項目は本当にひんぱんにお客様からお尋ねを頂くために掲載しておりますが、社外品電池の使用をお客様にお勧めするためのものではありません。社外品をご使用になって起こる一切の不具合は保証の対象外とさせていただいておりますので、予めご了承ください。「ニッケル水素電池 正しい使い方」から検索すると、大手電池メーカーの、参考になるFAQなどがヒットしますので合わせてお読みください。


    【重要なご注意】
    本章はニッケル水素充電池(定格初期電圧1.2V)について説明しています。初期電圧が高いLi-ionタイプの単三形充電池は絶対にお使いにならないでください。初期電圧が高いため、リチウム系の単三形充電池は故障の原因となります。


     大手電池メーカーの充電式ニッケル水素単三電池(1.2Vタイプ、以下「電池」)は、電気的には弊社製特定小電力無線機とハンディ型受信機の多くでお使いになれます。但し、ニッケル水素電池をサポートしない機種では使用時間が短くなる、減電池表示が正確に出ない等の不具合が出ます。また、注意しないと液漏れ、発熱や破裂など重大な事故に発展する可能性があり、このような電池をお使いになっての故障は保証対象外とさせていただいております。また、電池パックを作るための部品としての充電池が部品店で売られていますが、寸法がわずかに違うなどの問題があるため使えません。

    1:必ず電池はその電池メーカーが推奨する専用充電器で充電してください。弊社純正の充電器で社外品電池を充電しないでください。正しく充電できないだけでなく、故障や事故の原因になります。

    2:1号機にはこのペア、2号機はこのペアと電池にマーキングするなどして、必ず新品状態から、同じブランド、種類、容量の電池を常に同じ状態で充電してお使いください。異なる電池を混ぜて使うと劣化状態や電池残量のバランスが崩れてしまい、発熱・液漏れ・破裂の原因となります。全ての電池や電池を使う電気製品で「ブランド違いや新旧の電池を混ぜて使うな」的な注意書きがされているのはこのためです。

    3:単三アルカリ乾電池かLi-ionバッテリーパックのみをサポートする機種に電池を使うと減電池表示が不正確になります。(すぐに減電池表示が出ることがありますが、誤表示するだけで故障の原因にはなりません。機種によっては使用時間は短くなります。)ニッケル水素充電池を採用する機種は、電池設定でニッケル水素(Ni-MH)を選択すれば表示は正確に出ます。

    完全に放電した電池(過放電)は充電しにくくなるなど不具合が起きます。減電池表示が出たら充電されることをお勧めします。数日でもお使いにならないときは、無線機から電池を抜いて保管してください。待機電流で電池が過放電するのを防ぐためです。逆に、ちょっと使ってすぐ充電、も過充電から劣化を促進します。

    DJ-P221、DJ-P321、DJ-PX/TX/RX31など電池1本で使用する機種はコンパクトに作るために充電端子の当て方を工夫しており、一般の電池は充電できません。専用のEBP-179をお使いください。国内の大手電池メーカーから供給を受けている高級セルを使用しており、信頼性や性能は市販の電池と同等です。※本項目は社外品電池をこれらの機種に入れて「充電できない」とお問い合わせ頂くことが非常に多いため掲載しています。社外品電池を弊社製充電器で充電することはおやめください。

    アマチュア無線機やデジタルトランシーバー、レシーバーは電力消費が特小トランシーバーよりはるかに大きいため、お使いになれません。

【無線機全般】アルインコの無線機にリチウムイオン乾電池は使えますか?

  • 現行製品のほとんどのトランシーバーでお使いになれますが、下記の機種にはお使いになれません。これらはLi-ion乾電池の初期電圧(1本あたり1.8V)が印加されると内部部品を壊す恐れがあります。弊社では乾電池は1.5V定格のアルカリ乾電池を標準にしています。このためリチウムイオン乾電池や乾電池型ニッケル水素充電池のように1.5V定格でないものやマンガン乾電池は、壊れはしなくても減電池表示が不正確になる、短時間で使用できなくなる、等の不都合が出る機種があります。指定以外の電池の使用は製品保証の対象外となりますのでご注意ください。

    特小無線:
    ・DJ-PB20シリーズ全機種
    ・DJ-CH3
    ・生産終了品で単三乾電池3本が使用できるもの

    作業連絡用無線:
    ・DJ-M1R

    ハンディ受信機:
    全機種

【無線機全般】使い方が分かりません!

  • まず取扱説明書を初めから読みながら製品に慣れて下さい。 専門用語などが使われているので初めは分かりずらいのですが、説明書に合わせてボタンを押したり表示を眺めたりするだけでも、少しずつ意味が分かるようになる場合が多いものです。また、例えばセットモードのように共通の操作が多ページに渡る場合、入り方は冒頭ページのみで説明しているため個別の項目説明を見てもわからないことがあります。必ず一度最初から最後まで通してお読みください。

    操作が分からなくなった場合は「リセット」操作をして工場出荷時の状態に戻して下さい。但しセットモードで好みに合わせて設定した機能も初期設定に戻りますから、最終的な機能の設定などは一通りの操作が理解できてから行うことをお勧めします。リセットは、機種によっては機能だけを初期状態に戻すシステムリセット(又はパートリセットと呼ぶ機種もあります)と、せっかく書き込まれている周波数なども全て消してしまうオールリセットの2つが有ります。通常はシステムリセット(又はパートリセット)だけを行うように十分注意して下さい。リセットで消えたメモリーデータを復旧する機能は、無線機側にはありません。

    「こんなマークが出て、いつもと違う動作を始めた」という場合は、説明書の冒頭部分にある「ディスプレイの表示」の項目が参考になります。出ているマークの説明を見ると、それがどの機能を働かせたときに出るものかが分かるので、説明に従って機能をオフにしてください。

    その上で、どうしてもお困りの点がございましたら弊社サービスセンター、フリーダイヤル 0120-464-007までお電話でお問い合わせ下さい。営業時間はAM10:00~PM17:00です(お昼休み12:00~12:45、土・日・祝日を除く)。

    尚、お電話でお問い合わせの際は、取扱説明書と電源が入る状態の製品を予めご用意ください。これがないと、使い方のご説明は十分にできません。

【無線機全般】どのくらいの距離で通話できるんですか?地下と10階で通話できますか?

  • お問い合わせの中で一番多く、無線機メーカーとしては一番答えにくいご質問が通話距離に関するものです。

    *電波は光と良く似た性質を持っています。光は手元で照らしても遮られたところは暗く影になりますし、逆に高い開けたところからなら遠くまで、広い範囲に届きます。鏡に当たると反射もします。そう考えて頂くとイメージが浮かびやすいと思いますが、遮蔽物の多い場所や特殊な環境では壁やフロア1つで通話ができなくなることがある反面、ビルの上など遠くまで見通せる開けた場所からなら、びっくりするほど遠くと通話できます。また高い周波数の電波はビルの壁などで反射する性質を持っていますから、思わぬ方向に向くほうが通話しやすくなることも有れば、トンネルのような閉鎖的な空間では電波が干渉しあい、近距離でも通話できなくなることもあります。
    【参考】通話実験の動画 弊社電子事業部公式YouTubeチャンネルのリンク
    ビルの屋内編 (デジタル簡易、特定小電力、デジタル小電力コミュニティ無線)

    *特定小電力(出力0.01W/421-440MHz)
     ロングアンテナタイプの機種ですと、建物の中で十数メートルから数十メートル、市街地で数百メートル、河原のような見通しの良い場所で1km弱が目安です。ショートアンテナですと、同じ条件でも、ロングアンテナの50%程度まで通話距離が落ちる場合があります。これは物理的に電波の入り口が狭くなるだけでなく、アンテナが使用者の人体や廻りの環境の影響をより大きく受けやすくなるためです。又、特小無線機のFAQに記載しておりますが、デジタルタイプや同時通話モードも有効通話エリアがアナログの交互通話モードに比べて狭くなります。中継器(レピーター)が使える無線ですから、対応する子機を選んでおけば、この助けを借りて通話距離を伸ばすことができます。
    【参考】
    交互通話編
    同時通話編

    *アナログ簡易無線(出力5W/465-468MHz-1W/348MHz)
     5Wタイプは平地で4~5km程度、比較的手軽に使える連絡用無線機としては体感的な通話エリアが一番広く感じられるでしょう。ビルの中などでも鉄の防火壁などでガチガチにガードされたような作りでなければ上下の階層に結構飛ぶため、ビル管理関連の業種でも多く採用されています。1Wの小エリア無線は平地で2km程度、建物内部でも低層ビルなら死角なく通話できることが多いものです。
    348MHzと460MHz帯UHFアナログ簡易無線は、2022年にデジタルモードへの移行が義務づけられており、使えなくなります。ご存じなければこちらをご参照ください。

    *デジタル簡易無線 登録局(出力5W/351MHz)
     ハンディ機の5Wタイプで平地4km、1Wタイプで同じく2km弱程度です。建物の中も含めてアナログ5Wの8割程度、のような感覚でしょうか。これは、一旦データに置き換えられたデジタル信号が欠落する通信エラーが起きたとき、デジタルでは声が全く出てこなくなりますが、アナログはその点通信エラーが無く「りょう*い、*かい」と部分的にでも聞こえたら「了解と言ってるな」と人間の頭脳でエラー補正が出来るためです。
     車載・固定タイプでは屋根の上に良いアンテナが建てられることで、通話エリアは劇的に広くなることがあります。自家用車にホイップタイプのアンテナを付けた車同士で平地5km以上、郊外の工場建屋の屋上に上げた固定局用アンテナと近場を移動する自動車では10km程度、が目安になります。特に外部アンテナを使う場合はアンテナの種類や設置場所、ケーブルの太さや長さ、使用環境(山がち、都会のビル群のど真ん中などでは条件が大変悪くなります)で通話エリアは大きく変わります。
    【参考】
    直線道路 ハンディ機編
    ビル街  ハンディ機編

    *デジタル小電力コミュニティ無線(出力0.5W/142-146MHz)
     屋外なら1km以上、実用的に使えます。もともと看視や遭難救助を目的として割り当てられた無線なのでGPSの搭載が必須(相手局の距離と方角が液晶に表示)、秘話はかけられない、1対1で個別呼び出しすれば他人に聞かれない通話が可能、などほかの連絡用無線とは異なる特徴がありますが、だれでも、目的に関係なく、国内の上空、海上でも使えます。また無償配布のソフトを使ってパソコン上に通話相手の位置情報を表示させることもできます。
     屋内ではGPSが使えなくなりますが、特小より若干、通話エリアが広くなります。但しアンテナが体に接触するような使い方をすると通話エリアは極端に狭くなるので注意が必要です。
    【参考】
    都心部編

    *アマチュア無線(長波~マイクロ波、最大1000W)
     実用性度外視の「趣味の通信」がアマチュア無線ですから、通話距離はあまり意味がありません。逆にアンテナや使える周波数、出力なども免許のクラスに応じて幅がありますが、上級免許と最適な設備さえ持てれば、ご近所から地球の裏側、ISS宇宙ステーションまで、交信できない場所はありません。

【無線機全般】バッテリーパックは何回充電できるの?どのように保存するのが良いのですか?電池の寿命はどのくらいですか?ふくらんだように思いますが大丈夫?充電できないのは故障ですか?

  • 電池と充電に関するお問い合わせは、通話距離のお尋ねと同じくらい多いものです。以下に良くあるトピックをまとめてみました。

    【何回充電できますか?】
    電池メーカーは色々な条件を細かく規定した上で約300回、とか約500回、のように表示していますが、これはあくまで目安です。普段からの充電方法、充電電流量、使用場所の気温や湿度、使う無線機の電流消費等々の条件によって電池の寿命はずいぶんばらつきますので、「回数や期間」よりも「体感的に新品の頃に比べて明らかに持ちが悪くなった」を目安に考えるほうが現実的です。

    リチウムイオン電池は使用状態の良否にかかわらず、物理的に2~3年で体感できる程度に劣化します。「使っていなかったのに」とか「説明書通りに使っているのに」と不審に思われることがあるかも知れませんが、そのような性質の電池とご理解ください。また、長期間使用していると内部が劣化して発熱、発火の原因となることが知られています。詳しいメカニズムは「リチウムイオン電池 劣化 事故」などをキーワードに検索すると情報が得られますが、安全と製品のパフォーマンスを保つためにも5年をめどにお買い換えをお勧めします。 

    【正しい使い方と保存方法は?】
    リチウムイオン電池もニッケル水素電池も空の状態で放置するのが最悪です。減電池表示が出たら正しく充電してください。使い捨ての乾電池も同じです。放電した電池を電池ケースに入れたままにすると液漏れして修理ができなくなる故障の原因となります。

    ・ニッケル水素電池は規定電流で満充電したものを、継ぎ足し充電することなく使用してから満充電するサイクルを保つことが一番良い使い方です。もし「買ってからそれほど日が経たないけど、使える時間が減ってきたなぁ」とお感じでしたら、室温で電池を途中使用せず満充電、充電できたらすぐ放電するまで連続して使用(スイッチを入れたまま放置)、を2サイクル行ってください。このとき、電池が無線機や充電器と接触する端子をすべて、清潔で乾いた綿棒などで軽く拭き、目に見えない油脂汚れを清掃してください。このリフレッシュを行っても改善しないときは電池の劣化が疑われます。リフレッシュ機能が付いた充電器なら、月に一度位、リフレッシュすることをお勧めします。リフレッシュのしすぎもよくありません。ニッケル水素電池を長期間使わないときは、3ヶ月を目安に減り具合を確認、減電池表示が出ていれば満充電にして、無線機から電池を外して乾燥した涼しい日の当たらない場所に保存してください。

    ・リチウムイオン電池は50%程度の充電状態を保って保存するのが推奨されています。定格より低い電圧の放電状態、特に空の状態で保管すると再充電できなくなる可能性があり、逆に電圧が高いフル充電状態で長期保管すると劣化を促進します。

    ・無線機や電池類は室温の乾燥した環境で保管するよう心がけてください。冷蔵庫の中や直射日光が当たるような、極端な温度環境では保管しないでください。特にリチウムイオン電池は「必要なときだけ充電する、充電が終わったら充電器から外して使う、常に充電器につないだ状態にしておかない」「災害備蓄などでスペアの新品電池を保存する場合でも、時々通電して状態を確認する」に留意してください。

    【正しい充電方法は?】
    ・「満充電になったら充電器から外す」=満充電になっても、充電状態のままだとトリクル充電(補充電)を行うものがあり、使用条件によっては過充電のもとになり、電池の劣化を促進することがあります。

    ・「使わないときはこまめに無線機から電池を外す」=最近の機種の多くはスイッチで機械的に電源を切るのではなく、ソフトウエアで電源を入り切りします。このため、僅かですが待機電流を消費します。もちろん電池自体も自然放電しますが、電池を付けたままですとそれより多く消費します。放電した電池は劣化や液漏れの原因となります。

    ・「充電器に乗せたまま運用しない」=機種にもよりますが、充電電流が無線機側で消費され、電池に流れないものがあります。また、「受信しながら充電可能」とうたっているものでも、上で述べたように過充電気味になり、電池に負担をかけることがあります。リチウムイオン電池は、充電時は必ず無線機の電源を切ってください。

    ・電池の充電は常温常湿の屋内で日光が当たらない場所、振動が無い場所が基本です。寒いと充電できず、暑い、日光が当たるなどは発熱、発火など大きな事故の原因になります。水滴がつくような湿った場所もショートなど事故や故障の原因になります。振動があると無線機と充電器の端子が接触不良(瞬断)になり、正しく充電できません。

    ・自動車の12Vをシガーソケットから取りだして充電スタンドにつないで車内で充電したいとお問い合わせがありますが、おやめください。自動車のバッテリー電圧は上下します。車載機器はこの上下に耐えられるよう、入力電圧にある程度幅を持っていますが、定電圧のACアダプターで給電する充電スタンドはこのように大きな幅は持っていません。このためバッテリー電圧が高くなると充電スタンドが過電圧で故障することがあります。

    【リチウムイオン電池がふくれたように見えますが異常ですか?】
    ・リチウムイオン電池は構造上、劣化すると内部に炭化水素が発生してふくらみます。これはリチウムイオン電池の性質で、完全に防ぐことはできません。そのためバッテリーパックにする時、ある程度はふくらみも考慮した設計がされていますが使い方を誤ると膨張しやすくなります。特に長時間使わず放置(過放電)すると危険です。勘合が悪くなって取り外せなくなるうえ、無理に力を加えると最悪、発熱や発火の危険もあります。前項でご説明したように膨らんできた電池は寿命と割り切って、ご交換をお願いします。

    【充電できないのは故障ですか?】
    ・複数の無線機をお使いであれば、正常に動いている個体に動作不良の個体の電池を入れて充電する、疑わしい充電器に良い個体を乗せて充電する、電池パックを無線機から外して単体で充電する、など違う条件で試すことで電池、無線機、充電器、アダプターのどれがわるいのか不良の原因を特定できます。

    ・外部電源端子がある機種では、付属の充電用ACアダプターやその機種用の別売充電器のACアダプターを外部電源端子に接続すれば本体の電源が入ります。これでACアダプターが故障していないかチェックできます。但し充電用アダプターを送信や長時間受信用として使うと故障の原因となるので、チェック以外の目的にはお使いにならないでください。

    ・同じく外部電源端子がある機種は、充電スタンドを使わないで外部端子から充電できることがあります。スタンドから充電できないときは外部端子から充電してみることで、スタンドの不良かどうか判断できることがあります。

    ・機種によっては乾電池に充電させないよう、セットモードに充電を許可する、禁止する、のような項目を持っているものがあるので説明書を参照してください。

【無線機全般】付属品の充電スタンドや充電アダプターで送受信はできますか?

  • 基本的にできません。

    *特定小電力無線機は、送信出力が低いため電流消費も少ないので、充電アダプター兼用で運用も可能なEDC-122のようなアクセサリーもありますが、アマチュア無線機、業務用無線機などハイパワー機では、送信出力が大きくなるため電流消費も多く、アダプターでは必要な電流量が取り出せないので使えません。安定化電源をお使いください。

    *「受信機や、ハイパワー機の受信だけなら電流が少ないから、充電アダプターを利用しても良いですか?」とお尋ねを頂くことが非常に多いのですが、特に説明書に明記してある機種を除き、このような使い方はお控え頂くようお勧めしております。昨今のACアダプターはスイッチング方式が多く、ノイズを受信することがあります。デジタル簡易無線機は聴感上ノイズが聞こえませんが、悪影響は受けています。
    また受信機の付属充電アダプターには、受信機の最大消費電流以下の電流しか取り出せないアダプターが付属している機種もあります。

    運用のために外部電源端子を使うときは、電池を抜いた空の乾電池パックを装着しておくと無線機側の充電端子の保護になります。

    「充電スタンドを無線機スタンド代わりに使って、無線機を立てて使いたい」場合は、アダプターを抜いて、通電しない状態でお使いください。

    特に説明書に明記されていない限り、充電スタンドや充電専用アダプターを運用に使って起きた不具合は、保証の対象外となりますのでご注意ください。

【無線機全般】バッテリーセーブ機能(BS機能)とはどういうものですか?エコモードって?

  • 電池で駆動するFMモードやデジタルモードのほとんどの携帯型無線機にはバッテリーセーブ機能が搭載されています。これは見た目にはわからないように、無線機の回路に流れる電流を一定のサイクルで自動的にオンオフすることで、オフにしている部分の電気をセーブする機能です。10mSec~100mSecの単位でパッパッとオンオフを切り替えるのが通常の動作ですが、昨今の機種では敢えてもっと長めのサイクルも選べるエコモードを搭載するものもあります。

    弊社のアナログの特小無線機、アマチュア無線機、ハンディレシーバーではBSオンが工場出荷の初期値になっています。多くの機種でBSが動作しているときはBSマークのアイコンを液晶に表示させ、BSのオンオフはセットモードで切り替えられるようにしています。

    電池が長持ちするのは大きなメリットですが、以下のようなデメリットもあります。
    ・オフサイクルの時に信号を受信しても、受信回路が動かないのでオンサイクルになるまでの時間、音声が出ない「頭切れ」が起きます。エコモードはこの頭切れが通常モードより頻繁に、長い時間起きる可能性があります。但し一度信号を受信したら、その信号が消えても数秒程度はバッテリーセーブ動作に入らないので、テキパキ通信している間は頭切れは起きません。しばらく通話が無かった状態から通話を始めるときは、送信ボタンを押してから一呼吸おいて話し出すと頭切れを避けることができます。
    ・上記と同じ理由でオフサイクルの時にデジタル音声通信の信号を受信すると、デジタル信号の頭にあるユーザーコードのようなデータ情報が欠落して相手の無線機に認識されず、後ろの音声情報部分全体も無視されることがあります。このため、デジタル通信の機種では工場出荷時はBSオフが初期値になっていたり、BS機能自体が搭載されていないものもあります。また、データ通信(アマチュア無線のパケット通信や航空無線のACARSデータ受信なども含む)でもデータが欠落して正しい情報交換ができないので、BS機能はオフにします。
    ・スキャン中や、同時通話時・受信中・スケルチオフなどで音声が出っぱなしの状態の時はBS機能は働きません。

    車載機や固定機は電池を気にする必要が無いので、通常はBS機能は搭載されません。

【無線機全般】無線機やレシーバーを運転中に使うときの注意点はありますか?

  • 運転中に携帯型無線機を直接手に持って通話すると、携帯電話同様に罰せられます。

    *無線機を操作したり表示を見たりするときは、カーラジオや携帯電話同様、必ず安全な場所に自動車を停車させてからにしてください。。
    *外の音が聞こえないような大音量でスピーカーを鳴らしたり、運転中にイヤホンやヘッドホンなどを使ったりすることも安全運転上の理由から制限・規制されている地域があります。
    *車載無線機のハンドマイクやハンディ無線機用のスピーカーマイクを使用することは制限されていませんが、操作パネルを注視していると脇見運転として違反対象になります。

    いずれの場合も運転中は常に安全運転を最優先して頂くようお願い致します。

【無線機全般】防災連絡に使う無線機はどれが良いのですか?その運用について教えてください。

  • 今般、かつて無く防災意識が高まっていることから、多方面より非常時連絡用の無線機選定や運用についてご相談を承ることが増えております。そのときにしばしばお話しする内容を以下に抜粋します。

    【免許・資格不要の無線機】
    基本は数百メートル程度の距離で通話できる特定小電力無線です。
    遠くまで飛びすぎないことから混信を与え合うことが少ないので、非常時でも比較的チャンネルが確保し易く使いやすいこと、電波利用料のようなランニングコストが掛からないので備蓄時の無駄な出費が無いこと、少ない乾電池で長時間の運用ができること、などが理由です。また医療機器に影響するような強い電波では無いので、病院でも使用が認められています。このため災害救護医療機器がある現場近くで送信しても問題が無いのもメリットです。

    屋外の使用に向くのがデジタル小電力コミュニティ無線です。
    今は一般連絡も認可されていますが、もともと野生動物の監視、徘徊や迷子の看視、要救助者の発見などを目的として割り当てられた無線です。このため相手の位置情報が分かるGPS機能の搭載が義務付けられ、だれとでも通話できるよう、秘話機能はありません。0.5Wと出力が高く、障害物の無い平地なら2km程度通話できることもあり、多くの消防団で採用されています。GPSのおかげで通話相手の方角と距離が液晶上に表示されたり、無償のソフトを使って相手局の位置を地図上に表示したり、お互いを登録しあっておけば自分の無線機で相手局を送信させ、そのマイクで音を拾って応答が無い相手の周囲の様子を探るなど、防災連絡向きの特殊な機能も採用されています。屋内ではGPS信号が受信できないので、位置表示など一部の機能は使えなくなります。

    デジタル簡易無線登録局は数キロ以上の距離をカバーしますが、遠くのユーザーの信号と混信しやすく、人口が多い地域ではいざというときに空きチャンネルが無くなって通話できないケースが想定されます。1W、2Wでも通話できるエリアであればパワーを下げてお互いに混信を減らすことができます。(登録局や特小機は全て、通話中のチャンネルでは上からかぶせて送信が出来ない仕様になっています)
    使用前に簡単な届け出が義務付けられ、使っていてもいなくても、1台当たり年間400円程度の電波利用料が発生します。医療機器の近くで使うときも電波障害を与えないよう注意が必要です。大工場や高層ビルのような、特小トランシーバーではカバーできない場所に向きます。

    【アマチュア無線(免許資格必要)】
    アマチュア無線技士資格と無線局免許が必要なアマチュア無線は、日本アマチュア無線連盟がガイドラインを定めて非常通信のプログラムを立てており、各地域の無線クラブなどでもネットワークを構築されています。免許を持つハムであれば、そのような通信ネットワークにボランティア参加できます。昨今の法改正で、アマチュア無線を非常時の連絡ネットワークとしてさらに積極的に活用してもよくなりました。
    総務省電波利用HP:アマチュア無線の社会貢献活動
    日本アマチュア無線連盟:非常通信
    非常時はハム免許が無くてもアマチュア無線機を使って誰でも通話して良いと勘違いされることがありますが、電波法上の非常通信はとても狭義なもので、非常通信を行ったら事後の届け出が義務付けられているほどです。目の前にさしせまった生命の危機があり、他に電話のような通信手段が無い限り、免許を受けた無線局(アマチュア無線、簡易業務無線免許局、タクシー無線…)を、免許人以外が、無線局の通信目的以外のために使ってはならないと定められていますのでご注意ください。

    【通話方式】
    携帯電話の普及で「無線通話はモシモシハイハイで話せる同時通話が便利」と思われる方が多いのですが、非常通信では「どうぞ、了解」式の交互通話が基本です。「多数が一度に連絡しあえる、情報をシェアできる」が何より便利なためで、現場活動中の消防救急無線が交互通話であることが何よりの証拠です。「普段は同時通話、あるときは交互通話に切り替えて…」のように難しいことをご相談頂くことがありますが、非常時の厳しい環境の中で、使い慣れない無線機を、設定を切り替えながら運用することなどは普通の人にはまず無理な話です。

    【運用について】
    運用の練習とメンテナンスが何より一番簡単にできて大切なことです。

    ・近隣の町内会や消防団と打ち合わせ、緊急時に「このエリアでは、町内の行方不明捜索には特小のXからXチャンネル、避難所内連絡にはXからXチャンネル、配給関係情報はXチャンネル、消防団と避難所との連絡は登録局のXチャンネルを使う…」のように決めて統制をとっておくと混信を防ぎ、秩序だった通話ができるようになります。合同防災訓練等の機会に、この取り決めを元に通話練習をしたり、非常無線通信の最も優れたお手本の消防士さんに話し方のコツをコーチしてもらうなどしておくのもお勧めです。なお、非常通信の練習をするときは電波法で「訓練」を通話の頭につけるよう定められています。無線を偶然聞いた人が誤解して警察や消防に連絡することが無いようにするためで、「火災発生」「救急車を呼んでください」のような具体的な内容で通話をするときは必ず「訓練、火災が発生」「訓練、救急車を~」のように通信してください。

    ・町内のイベントやボランティア活動など、平時から積極的に無線機を使い、扱い方に日頃から慣れておくことも大変重要です。またこれは無線機の定期的なチェックにもつながり、故障しにくくなります。電気製品はていねいに使い続けることが一番良いメンテナンスで、使わずにしまっておくのがいざというときに一番不具合が出やすいものです。ゴムのアンテナやイヤホンマイクのスポンジ、ケーブルなどの樹脂も定期的に風に当てておかないと湿気を吸って加水分解し、いざというとき使えなくなる可能性があります。無線機器は乾いた日の当たらない、通気の良い場所で保管してください。

    ・備蓄されている充電池や乾電池は特に痛んでいることが多いものです。電池は液漏れや過放電を避けるため必ず無線機から外して保管してください。電池類は無線機から外していても自然放電するのでバッテリーパックであれば定期的に充電残量を確認してください。但し充電しっぱなしもバッテリーパックの過充電から劣化しやすくなります。時々電源を入れて減電池表示が出るまで放電させてから、再充電するのがベストです。日頃のメンテを心掛けておかないと、いざというときせっかくの無線機が役に立たなくなります。
     

【無線機全般】アルインコ製品で使えるアンテナを推奨してください。どんなアンテナを買えばいいの?●X社製のアンテナは使えますか?

  • アンテナに関しても、多くのお問い合わせを頂きます。

    弊社では、他社製のアンテナに関する検証は一部の斡旋品を除き、一切致しておりません。このため「この会社の、このアンテナが良いですよ」というお勧めもしておりません。アンテナが交換できる民生品の無線機、受信機についてはアンテナメーカーから多彩な製品が発売されています。「どれを選べばよいかわからない」ということであれば、迷わず無線機専門の販売店にご相談ください。特に車載や基地局用、固定局用のアンテナは固定金具(基台)、アンテナマスト、ステー、同軸ケーブル、アンテナコネクターなど小物類も必要になります。

    アンテナメーカー製のものは、特に明記が無い限り、周波数、耐入力、アンテナコネクター形状に適合するものであればメーカーを問わず無線機に接続できます。ただ、無線機メーカー製のハンディトランシーバーが純正品として採用するものを他社製トランシーバーにつなぐと、たとえば1W機用のものを5W機で使うことになって発熱して使えなかったというような事が起こり得ますのでご注意ください。

    まれにアンテナメーカー製のアンテナ、コネクター付同軸ケーブル、コネクター変換アダプターが弊社製品と機械的に勘合しないのでは?といったご相談を受けることがあります。ホイップ型ならアンテナのすそがボディまで届かず少しコネクターが見えている、同軸ケーブルのコネクターなら、たとえばM型は海外のPL型と共用できるタイプなら専用のコネクター同士より機械的な勘合が悪く感じられる、SMA型ではコネクターのリングを最後までしっかり締めたにも関わらずケーブルが動く、回るというようなことですが、相性問題の範囲であることがほとんどです。他社製無線機では動作するのに、アルインコの無線機につなぐとまったく送受信できない、というような明らかな異常の場合は点検しますので、弊社サービスセンターにご相談ください。

【無線機全般】急にノイズが出て、通信、受信ができなくなりました。なぜ?

  • ある日を境に、今まで通話や受信ができていた環境と設定のままで、急に無線機や受信機にノイズが発生するようになった場合、外来の妨害電波が関係することがあります。このようなときはまず、場所や時間を大きく変えて正常に通信、受信ができるかお試しください。

    例えば昼間は大丈夫だが暗くなってきたら強い妨害が出るという場合は照明器具、暑くなったら出るというときは空調機、のようにノイズが出るときに使っている機器をチェックしてノイズ源を特定することができる場合もあります。特にLED電球やソーラーパネルは、AC/DCやDC/AC変換回路が搭載されており、強いノイズを出すことがあります。ほかにもパソコン、蛍光灯、湯沸かし器、モーターやコンプレッサを使う機器などもハンディ無線機のノイズ源となります。ノイズが出るようになった時期に、何か電気を使うような機器を導入していれば要チェック、です。

    固定の無線機にはACラインからのノイズも関係します。洗濯機を回しているとノイズが入るようなケースです。車載では、最近のハイブリッドや電気自動車などもノイズが発生しやすい環境です。

    ハンディのノイズの場合、グループコード(トーンスケルチ)を設定するとノイズを低減できることがあります。車載や固定の場合は電源やアンテナ線も含めて対策が必要になることがあります。無線機店にご相談ください。ノイズの性質によっては、無線機側では対応できないものもありますので、ご了承ください。

【無線機全般】外部マイクでVOX、PTTホールド、コールバックが使えません。故障ですか?

  • スピーカーマイクはイヤホンマイクとは回路が異なるため、PTTホールド、コールバック(イヤホンジャック使用時も含む)、VOXは使えません。また同時通話にも対応しません。

    イヤホンマイクでこれらの機能が使えないとお問い合わせを頂く場合、ほとんどが他社製品をお使いのケースです。サードパーティ製のイヤホンマイクはPTTボタンを使った普通の通話はできますが、VOXのような機能は回路が異なるので対応しません。

    弊社純正のイヤホンマイクには必ずマイクユニット部にALINCOのロゴとEMEから始まる品番が印字されています。また同時通話とこれらの機能に対応するイヤホンマイクには、品番の末尾にAを付けています。(例:EME-29A、EME-53A)
     

【無線機全般】実用を始めたら通話実験したときより通話エリアが狭くなりました。どうして?

  • 実験の時にマイク類は使わず、無線機を手に持っておられませんでしたか?そして導入後はマイク類を付けて、ベルトに止めたり、ポケットに入れたりしてお使いではありませんか?もしそうであれば、マイクの有無が原因ではなく、無線機を体に近いところに装着し、アンテナが口より低く、人体に近くなったことが原因です。アンテナはなるべく高く、開放空間にあるほうが通話距離にメリットがあります。人体は結構大きな電波障害物で、特に微弱な電波の特小やデジコミ無線では大きな影響があります。お客様で満員になると通話しにくくなる、はよく聞くお話です。

    ・通話しにくいときは無線機を体から離して手で持ち、通話相手のいる方向に向いてください。
    ・アンテナは傾けず、なるべく垂直を保って人体に接触させないでください。
    ・導入前に実験されるときは、なるべく実用時に近い条件で行ってください。例えば昼間実験したときは良かったのに、実用で夜になったら通話できない…は夜間、シャッターや防火壁を閉める、というようなときに起こりがちです。照明や電気製品もできるだけ実用状態でお試しください。すべての電気製品はノイズの原因になり得ます。新規開店などでは什器、備品、装飾が全て入り、従業員も全員揃ったところで実験してください。